ピラティスで学ぶ「良い姿勢」研究が明かす気づき1

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こんにちは。ピラティスインストラクターの桑原紘平です。レッスンでよく耳にする「姿勢を良くしましょう」という言葉。でも、どこをどう直せばいいのかわからない、鏡を見てもピンとこない……そんな経験はありませんか? 

実は、これには科学的な理由があります。今日は、海外の研究結果を基に、良い姿勢の意外な落とし穴を解説し、ピラティスがどう役立つかを探ってみましょう。きっと、あなたの日常が変わるヒントが見つかるはずです。

カナダのMcGill大学で行われた研究(O’Sullivan et al., 2006)では、痛みのない健康な成人30人を対象に、座り姿勢を三次元的に分析しました。
被験者に「普段の座り方」と「これが一番良いと思う座り方」の2つを再現してもらい、頭部、脊柱、骨盤の角度を精密に計測。結果、驚くべきことに、ほとんどの人でこの2つの姿勢に明らかな違いが見られたのです。

例えば、普段の姿勢では骨盤が後傾しやすく、背骨が丸まりがち。一方、自分で「良い」と思う姿勢では、少し背筋を伸ばすものの、頭の位置が前方にずれやすい傾向がありました。平均で、頭の角度差は5~10度、骨盤の傾きは3~7度にも及びます。つまり、無意識のうちに「いつものクセ」と「理想のイメージ」を使い分けている人が多いのです。自分では「まっすぐ座っているつもり」でも、客観的に見るとズレが生じている。これが、姿勢改善が難しい理由の一つです。

同じ研究で、被験者に「良い姿勢で座ってください」と指示すると、多くが即座に変化を示しました。具体的には、胸を張ったり、頭を後ろに引いたりする動作が見られました。しかし、問題はここにあります。変化は主に上半身の1~2箇所に集中し、背骨全体や骨盤のバランスまで整う人は少数派だったのです。例えば、胸郭を過度に反らす人は、腰部の負担が増大。頭だけを動かす人は、首の緊張を招きやすいことがわかりました。

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